こんにちは じんじょ(@jinjolifeshift) です。
「もしかしたらうつ病かもしれない…」
そう思っても、メンタルヘルスを扱う病院は、多くの人にとってなかなか馴染みがないですよね。
この記事では、わたし自身の経験を踏まえつつ、『患者のための最新医学 うつ病』を引用しながら、病院とお医者さんの選び方を説明します。
目次
最初のハードルは「病院選び」
「もしかしたら自分はうつ病かもしれない…」
そう思っても、多くの人にとって、メンタルヘルスを扱う病院はなかなか馴染みがないですよね。
「ちょっといつもと何かがと違う…」と感じたら、ぜひ早めに医療機関を受診していただきたいのですが、その足かせとなる要因の一つが「病院選び」だろうと思います。
わたしは以前の記事【うつ病の発症② 〜身体的な症状がピークに〜】で、以下のことを書きました。
- 「自分にあったお医者さまを見つけることはとても大切」とうつ病経験者の友人からアドバイスをもらった。
- ただし、本人の判断で病院を次々と替えることは ドクターショッピング と言われ医者と患者双方にとって好ましくない。
治療においても大切な、お医者さん選び。
ですが、はじめての方は「どうやって病院を選べばよいのだろう…」と不安に感じてしまうのではないでしょうか。
「そもそも何科に行けばよいのやら…」
・メンタルクリニック
・精神科
・心療内科
・神経内科
…
などなど、病院の名前もバラエティに富んでいて、素人には違いがよくわかりません。
多くの方が、まずはじめにここで躓いてしまうと思います。
そこでこの記事では、わたし自身の経験を踏まえつつ、
『患者のための最新医学 うつ病』
東邦大学医学部名誉教授 坪井康次 監修
を引用しながら、メンタルヘルスを崩したときの「病院とお医者さんの選び方」について説明します。
「お医者さん選びはとても大切」という友人のアドバイスはこちら:
うつ病の発症② ~身体的な症状がピークに~精神科と心療内科って何が違うの?
まず始めに、原則として「うつ病の診断や治療を行うのは、精神科や心療内科」[1]が基本です。
こちらの表の中で、うつ病は「気分障害」に該当します。
「心身症」というのは、胃潰瘍、過敏性腸症候群、緊張型頭痛など、ストレス反応が身体の症状・疾患として現れるものを言います[2]。
摂食障害も、心身症に該当するようです。
わたしは海外駐在から帰任後に「うつ病」を発症しましたが、駐在員時代に「過敏性腸症候群」と診断されたこともあります。自覚はなかったものの、このとき既に身体は悲鳴をあげていたのですね。
『患者のための最新医学 うつ病』によると、科の名前によって以下のような注意点があるようです。
- 心療内科は本来、心の問題で起こるからだの病気を「内科的に」治療するところで(中略)、内科であって精神科ではないので、重症のうつ病、双極性障害(躁うつ病)などは扱わない
- 神経内科は「脳の器質的な病気(パーキンソン病や脳梗塞など)を扱う科」で精神科とは異なる
つまり、精神疾患をメインで扱うのは「精神科」ということになります。
ただ、少なくともわたしの住むエリアでは、多くの病院が 心療内科 と 精神科 を兼ねているようですので、神経内科だけ避けておけば、科の違いはそれほど心配をしなくても大丈夫かと思います。
実際に、私がかかった2件の病院はともに、〇〇メンタルクリニック 心療内科・精神科 という病院名でした。
どうやら、「精神科より心療内科のほうが受診するのに抵抗がないであろうなどの理由から、精神科の医師も心療内科と標榜していることが」あるそうです[2]。
また、もし「心療内科」の看板しかなかったとしても、肩書に「精神保健指定医」と記載があれば「精神科の医師がいる」と思って間違いないようです[2]。
できるだけ通いやすい病院を選びましょう
科の違いについて、ご理解いただけましたか?
続いて、病院を選ぶ際の注意点。
特に大切なのは「通いやすさ」です[1]。
『患者のための最新医学 うつ病』で指摘されているこの点は、私も強く同意します。
わたしは復職後のいま現在、カウンセリングと主治医の診療のため、月2回ほどのペースで通院をしています。今後も治療のため、数年単位で通い続けることを考えると、
「家から近い、もしくは、職場から近い」
病院を選んだほうが良いでしょう。わたしの場合、初期の頃は診察だけで1-3週に一度のペースで通っていました。
診察時間に関しては、わたしの在住エリアの病院は多くが19時まで、遅いところでは20時以降まで診察を行っているようです。仕事をしながら通院されている方への配慮があるのかもしれません。
よい医師の条件 と 転医を考えてもよいケース
さて、肝心のお医者さんについてです。
『患者のための最新医学 うつ病』の中に、 よい医師の条件 と 転医を考えてもよいケース について記載がありましたので、引用させていただきます。
- よく話を聞いてくれるかどうか
- 疑問に答えてくれるかどうか
- 治療方針、薬の副作用、今後の見通しなどを説明してくれるかどうか
- 信頼関係が築けるかどうか
- 患者から症状を聞いただけで「うつですね」と即断する
- 医師のほうからいろいろ問うことが少ない
- 患者の顔をあまり見ない
- 患者の質問に納得できる説明をしない(質問をうるさがる、あるいは質問をさえぎる)
- 薬の効能や副作用、服用予定期間などの説明が不十分
- 患者が強い副作用や症状の悪化を伝えても処方をかえない。また、その理由を説明しない
- 初回から多種類の薬を出す(抗うつ薬の場合1種類が一般的)
- 数種類の薬を一度にかえる(1種類ずつが一般的)
- 漠然と薬の処方をつづける
- 半年以上、症状の改善が見られない
医師との信頼関係は「治療の効果を左右するほど重要な要素」である一方で、「少なくとも半年くらいは最初の病院に通ってみることをおすすめ」すると著者の坪井先生はおっしゃっています。
うつ病の影響で疑い深くなってしまっている可能性があるためです。
実際、以前の記事【うつ病の発症③ ~セカンドオピニオンで病気を受け入れる~】に書きましたが、私自身、初診のときは現主治医の人となりについて、冷静に判断することができませんでした。
可能であれば、ご家族や友人に方に付き添ってもらい、病院や先生の様子について一緒に判断してらえると良いと思います。
またもう一つ、心に留めておくべき大切なことがあります。
それは、「信頼関係が構築できるまでには、ある程度の時間と辛抱がいる」ということです。
精神科医の樺沢先生は、「信頼関係の構築は共同作業」であるとおっしゃっています。[3]
心理学では、信頼関係の構築を「ラポール形成」と言い、ラポール形成には目安として「3か月~数カ月」という期間を要するとされています。
そして、「医師ー患者」関係において、信頼関係の構築は医師の仕事と思いがちですが、われわれ患者の側にも心を開き、関係を築いていこうとする姿勢が必要なのです。
わずか数回の診察で、「信頼のおけない先生だ」と即断してしまうことは、時期尚早と言えるでしょう。
ただ上記の「転医を考えてもよいケース」のリストに該当するなど、どうして不信感を拭えないという場合には、医師を変えてみてもよいかもしれませんね。
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疑い深くなった自分のKYっぷりに唖然…とした経験はこちら:
うつ病の発症③ ~セカンドオピニオンで病気を受け入れる~ [1] 『患者のための最新医学 うつ病』 東邦大学医学部名誉教授 坪井康次 監修 オススメ度★★★★☆ [2] 『メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅲ種公式テキスト』第4版 大阪商工会議所 編 オススメ度★★★☆☆ [3] 『精神科医が教えるストレスフリー大全』 樺沢紫苑 著 オススメ度★★★★★