目次
親身になってくれた看護師さんに涙目
こんにちは 東大卒×元駐在員×うつ病 じんじょ です。
前の記事:
1件目の心療内科でうつ病と診断されましたがいまだに確信が持てず、もう一件別のクリニックを訪れました。今回も妻に付き添ってもらっています。心配した両親も実家から駆けつけてくれました。
今回の病院も精神科・心療内科で、1件目よりも大所帯のようです。医師は二人体制のようで、待合室は広く大勢の患者さんが順番待ちをしていました。医師の診察とは別にデイケア施設もあります。
待合室に入り、妻と壁ぎわにあった椅子に腰を掛けます。すると、ソワソワと落ち着かない、居ても立っても居られない、例の症状が現れ始めました。どういう診断が下るのか、という緊張もあったのかもしれません。
ドキドキと心臓の音が大きく聞こえ、貧乏ゆすりが止まりません。
この病院では、医師との診察の前に看護師さんとの面談がありました。妻と一緒に個室へと案内されます。前回の反省を踏まえて、事前に用意しておいたこれまでの経緯や症状などの経過をまとめた用紙を渡しました。これでうまくしゃべれなくても安心です。
まとめた用紙をベースに、これまでの経過について看護師さんから質問をされました。あいかわらず口が回らず、吃ってしまい、ゆっくりとした非常にたどたどしい喋り方になってしまいましたが、看護師さんは焦らせることもなく私の話に耳を傾けてくれました。
「辛かったですね」
看護師さんは非常に親身になって話を聞いてくださいました。感動して目に涙が溢れました。
面談の内容は看護師さんから先生に伝えていただける、とのことでした。
2度目の「うつ病」診断で病気を受け入れる
看護師との面談が終わり、医師の診察まで少し待ち時間がありました。待合室ではどうにも落ち着かなかったので、受付に外出することを伝え、20分ほど近くのカフェで妻と過ごしました。
看護師さんの丁寧な対応のおかげか、病院に着いたときより気持ちは落ち着いています。時間になり、診察の順番が回ってきました。
「繰り返しになってしまう部分もあると思いますが、私からもいろいろと質問をさせてください」
と、先生の問診が始まりました。
緊張からか、体がぷるぷると震えてしまいます。先生の顔を直視できず、あいかわらず言葉もスムーズに出てきません。以下は問診の内容です。
- いま一番気になっている症状は?
- 体が重く言うことを聞かない、思うように動かない
- 頭の回転が鈍い、ボーっとする
- 感情のコントロールが出来ず、突発的にキレてしまう
- 症状をグループ分けできる?
- 不安、ドキドキ、ソワソワ、体が動かない、ボーっとする、が “継続的”
- イライラは “突発的”
- 駐在先からの帰任は不本意だった?
- 現地で仕事をしていたときから悩みが多かったが、駐在員なら誰でも感じていることかもしれない
- 奥さんから見た本人は本来どのような人?
- 基本的に真面目。本来はおだやかで明るくコミュニケーションを取ることができる
やはり、先生の見解も「うつ病」という診断でした。
念のため、血液検査を行うことになりました。うつ病以外の器質的な疾患の可能性を取り除くためです。
うつ病は、脳神経のバランスが崩れてしまっている状態。私の場合、食欲はそれなりにありましたが、症状の出方は人によってさまざまだそうです。
治療法は以下の3通りです。
- 薬物療法
- 休職による休養
- カウンセリング(頭が働いていない状態では難しい)
「じんじょさんの場合、じわじわと症状が出てきているので、回復にもそれなりの時間が必要になるでしょう。抗うつ薬として リフレックス半錠 から始めましょう」
と説明をされました。
原因が明らかであれば取り除くことが一番だが、複合的で難しい場合も多い。
ただ、自分としては原因が今の職場にあることを確信していました。部署の異動願いを出すべきか、常々考えていた悩みを先生に相談したのですが、「今は判断を保留すべき」と先生に諭されました。
この点については1件目の医師にも同じことを言われました。うつ病の患者さんにとって、判断力が鈍っている状態では重要な決定を先延ばしにするのがセオリーだそうです。
「会社を辞めようと思っている、と言う患者さんもいらっしゃるのですが、私は止めるようにしています」
と先生はおっしゃいました。
まったく空気が読めない、判断力が極端に低下
「もう一つ…」という次の質問を途中で遮られてしまい、初回の診察は終了しました。
診察の時間は40分ほどだったようです。
体感ではそれほど時間が経っていたことに気付きませんでした。最後の質問をシャットアウトされ、私は憮然として診察室を出ました。追い立てられたように感じたのです。
「最後まで話を聞いてくれない」と不信感を覚えたのですが、どうやら私の感覚がズレていたようです。付き添ってくれた妻曰く、「あと10名患者さんが待っていますので…」という先生の言葉の後で、延々と質問を繰り返していた私に非がある、とのことでした。
自分にはまったくその自覚がありませんでした。自分のあまりのKYっぷりに情けなくなり、涙が溢れてきました。
「次回先生にお会いしたときに非礼を詫びよう。。。」
そんなことを考えていました。
時間の感覚が狂っていて、まったく空気が読めない、客観的な判断が出来なくなってしまっていることを痛感しました。
休職と抗うつ薬での治療を決断
診察の結果を受けて両親とも相談し、このクリニックで治療を進めることを決めました。
妻としても、1件目のクリニックは以下の点が気掛かりだったようです。
- 臨床心理士との面談の内容がきちんと医師に伝わっていないように感じた
- 診察室の声がうっすら他の部屋でも聞こえる
医師のススメで3か月休職の診断書を書いてもらい、しばらく仕事を休むことにしました。
あまりに短いと、気持ちが焦ってしまい治療に専念ができない。最低でも2カ月、できれば3か月。経過が順調であれば復職を早める分にはなんの問題もない、と説明をされました。
はっきりと診断名が決まりスッキリしたのか、しばらく会社に行かなくて済むことにホッとしたのか、疲労を感じてはいたものの、いくぶん身体が軽くなったように感じました。
(続く)